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日々ふと思うことを徒然なるままに書き綴る個人的エッセイあるいは回想録。
子どもの頃、ひどく「生きづらい」と感じていた時期があります。
 
思い返してみればその頃、自分は、世界を見るのも他人を見るのも、何でも“自分”をモノサシにしていました。
 
人間の物の考え方など十人十色で一人一人違って当たり前なのに、あの頃は無意識のうちに、他人も自分と“同じ”ように物を考え行動すると思い込んで、その予想から外れた言動をされると、ひどく動揺していました。
 
たとえば、自分はいわゆる“繊細”なタイプで、ささいな言葉ひとつに傷つく性格だったので、「これを言ったら相手を傷つけてしまうかな」「これをしたら嫌われるかな」と言動の一つ一つに気を遣ってきました。
 
けれど、世の中そういうタイプの人間ばかりではないので、こちらが傷つくようなデリカシーの無い言葉を平気で使って来る人はたくさんいます。
 
そんな時、「自分は嫌われているんだろうか」「自分が何か悪いことをしたんだろうか」と凹んでいたりしましたが…今にして思えば、おそらく“そういうこと”ではなかったのだと思います。
 
自分はたまたま「言葉が相手に与える影響」を気にし、考えたことをすぐには口にせず一度頭の中で反芻してから話すタイプの子どもでしたが、そういうものを全く気にせず、言いたいことを即座にポンポン口にする人間はたくさんいます。
 
それはべつに悪意や悪気があるわけではなく「それにより相手が傷つくかも知れない」という可能性をあまり考えたことがない人間だから、なのだと思います。
 
(中には自分を優位に立たせたいがために、わざと相手を屈辱的な言葉で貶めたがるタイプの人間もいますが…。)
 
“他人”という生き物は、“自分”とは性格思考のタイプも全く違う生き物なのですから、「自分だったら、こういう時には、こういう行動をするのにな」という“予想”と全く違う“結果”が出て来るのは当たり前です。
 
そして、そんな予想外の言動を“自分の価値観”に当てはめて「なんでこの人はこんなことをするんだろう」と悩んでみたところで“正解”など分からないのです。
 
だから、すぐに「自分だったら、こんな言葉は嫌いな相手にしか使わないだから、相手は自分のことが嫌いなんだ」と思い込んでしまうのは危険です。
 
相手は本当に悪気無く、ただただ軽い気持ちでその言葉を使っただけかも知れないのですから…。
 
本当に嫌われたわけでもないのに「嫌われた」と思い込んで傷つくのも、攻撃の意思のない言葉に勝手に攻撃性を読み取って反撃しようとするのも、無駄に人生を生きづらくする“もったいない”行為です。
 
中には「そもそも、そんな風に相手の気持ちを考えずに言葉を使ったり行動したりする相手の方が悪い」と思う人もいるかも知れません。
 
ですが、人間の性格というものは育ってきた環境によっても左右されるものです。
 
もしもそれまでその人の周りにいたのが「ちょっとした悪口くらいなら軽口で返してくるようなノリの人間ばかりだった」のだとしたら、「それによって傷つく人間もいる」のだということを知らないまま、気づかないまま育ってしまったとしても仕方のないことなのかも知れません。
 
(そして、その後もそんなノリの人間ばかり周りにいるなら、そういう性格のままだったとしても特に問題が無いのかも知れません。)
 
以前の記事にも書きましたが、人が相手の性格を好ましく思うか嫌いだと思うかは“相性”の問題であって、そこに絶対的な評価や価値観など存在しません。
 
どうしても“合わない”性格の人間もいると思います。
 
そういう時は、「何でこの人はこんな言動をとるんだ。自分なら絶対しないのに」とイライラしながらつき合い続けるより、そっと離れていくか、「この人はこういう人なんだから仕方ない」と受け流すのが、精神衛生のためには良いと思うのです。
 
ある程度の年齢まで育ってしまった人間の性格や思考回路を変えていくのは容易なことではありません。
 
ですので、そのエネルギーを消費するのに値しない相手なら、わざわざそんな苦労をする必要も理由も無いと思うのです。
 
今の世の中、他人の言動を無理矢理“自分の”モノサシで測ろうとして、その挙句に誤解して、する必要のない争いやトラブルを起こしている例が多い気がしてなりません。
 
“自分”と“他人”は物の考え方が違う――そのことさえ、きっちり押さえていたなら、そんな“ムダな”争いやトラブルも減り、社会に満ちたストレスも少しは減らせる気がするのですが…。

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津籠睦月(つごもりむつき)
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