日々ふと思うことを徒然なるままに書き綴る個人的エッセイあるいは回想録。
生成AIをめぐる問題で最近気になっているのが「生成AIで二次創作画を作ることの何が悪いの?ファンアートと同じじゃないの?」という論調です。
最初にこの意見を見かけた時「この違いが分からない人がいるんだ!?」と逆に衝撃を受けたのですが…
この2つの何が違うのか…分かっている方には、あまりにも「当たり前のこと」でしょうから、今さら説明することも憚られるのですが…
それって、ズバリ「情状酌量の余地」ですよね?
そもそも勘違いされている方が多いようですが…
「二次創作」というのは元々「著作権者の温情により見逃されているグレーゾーン」。
べつに「やってもOK!」と許されているホワイトゾーンでも何でもないのです。
古参の二次創作クリエイターさんたちはよく「二次創作者はなるべく日蔭者であれ」「権利者とは距離を取れ(間違っても凸するな)」などと言いますが…
それは「著作権者の堪忍袋の緒を切ってしまうと大変なことになる」と知っているからなのです。
…で、話を戻して生成AI画とファンアートの違いですが…
例えば皆さん「幼稚園児がクレヨンで一生懸命描いたプリキュアの絵」を「版権モノだからダメ!」なんて、冷たいことを言えますか?
…それ、普通に鬼じゃないですか。
ファンアートが黙認されている理由のひとつは「ファンが愛情を持って一生懸命描いてくれたものだから」なのです。
幼稚園児でなく大人だったとしても…
手間と時間をかけて描き上げられたファンアートは、時に作者でさえ敬意を覚えてしまうものなのではないでしょうか?
一方で「こんな絵を描いて」という命令文ひとつで(まぁプロンプトは1文とは限りませんが)ちょろっと出来上がってしまう生成AI画…
著作権者の心証が同じだと思いますか?
現代の一部のネット民は、何かと「感情論を排除」して「合法か違法か」だけで物事を見ようとしますが…
著作権法は「親告罪」――すなわち、著作権者が相手を訴えるか否かが、そもそもの罪の分かれ目なのです。
二次創作やSNSでのちょっとした「お遊び」が許されている背景には「これくらいなら、まぁいいだろう」「話題になって盛り上がってくれる分には有難い」という、著作権者の暗黙の「お目こぼし」があります。
一方で、作品の権利を侵害しかねないものや、作品の品格を落としかねないものは、普通に訴えられるリスク「大」なのです。
生成AI画のマズい所は、版権モノのオリジナル画と「区別がつかないレベル」の画像を生成できてしまうことにあります。
オリジナルそっくりのタッチで「原作にはあり得ないシーン」を描き出すこともできますし…
何も知らない視聴者が見たら「これって公式の画像(動画)?」という誤解もされかねません。
実際「権利者」は生成AIに対してかなりの危機感を抱いていますし、AI事業者を相手どった訴訟も国内外問わず頻発しています。
個人の生成AI利用者で言うと、2025年1月の「エヴァンゲリヲン」の「アスカ」のAI生成(エロ)ポスター販売や、6月のゴジラ海賊版DVD販売(生成AIでモノクロ映画をカラー化したとみられる)など、国内での逮捕者も出始めています。
全ての生成AI利用者がそうだとは思いませんが…
生成AI利用者の中には、明らかに「やって良いことと悪いことの境界線」が見えていない人がいます。
自分もX(旧Twitter)上で見かけたことがありますが…
当時放映中のアニメ(お子様も観る全年齢対象)キャラクターの卑猥な生成AI画像を、作品名・キャラ名(さらには生成AI画であること)を堂々と表記してUPしているもの等…
何重もの意味でアウトです(そもそもSNSの誰でも見られる場所に卑猥な画像をUPしているだけで相当なアウト行為…)。
「ファンが作品愛ゆえに描いたもの」なら許してくれる著作権者も「ファンかどうかも分からない人間がインプレッション稼ぎのためにチョロッと生成したもの(しかもエロ)」を許してくれるわけないじゃないですか。
思うに「AI生成画とファンアートの違いが分からない」という意見の中には「生成AIを使って版権モノでボロ稼ぎしたい→そのためには生成AI画を規制したがる風潮が邪魔だ→人の手による二次創作が許されているなら生成AIも許可しろ」という「さもしい本音」があるのではないでしょうか?
…ですが実際には、そうした一部の生成AI利用者の「暴走」が、かえって生成AIの「規制」を招くことになるのではないでしょうか?
そもそも二次創作界隈って元々「稼ごう」「儲けよう」という世界ではないんですよね…。
儲けは「元が取れれば万々歳」くらいな感じで「とにかく、この作品への愛を表現したい」というのが活動の源のはずなのです。
「稼ごう」「儲けよう」が目的になってしまったら、それは「商売」になってしまい「版権モノで許可無くビジネスしている」ことになってしまうのです。
「稼ぐ」「儲ける」が「お金」でなく「インプレッション」や「表示回数」「再生回数」でも同じこと。
(プラットフォームによっては、それで収益が出るものもあるわけですから。)
生成AI画像(動画)に「この作品への愛を自分の手で表現したい」という、一番肝心な「動機」はあるのでしょうか?
作品への愛が分かれば、たとえ絵が拙くとも、褒めてくれる同志はいますし、ファンになってくれる人もいます。
(実際自分も、一次・二次創作物問わず重視するのは、画力よりもネタの面白さです。)
むしろ「拙くても、一生懸命に愛を表現している」ところにアツさを感じて感動するのですが…
「生成AI画とファンアートの違いが分からない」という人は、そういう「人が情熱を傾けることの価値」が分からないのでしょうか?
どうにも昨今、「合理性」「コスパ」ばかりが重視されて「人の心」を見失ってしまっている人が増えていないでしょうか?
…と言うより、どうにも最近「手抜き」や「怠惰」や「雑な仕事」を「合理的」「コスパ」と言い訳している人が多くないですか?
どんなに「現代的な言い訳」で繕おうと、その裏にある「手抜き感」に、人は本能で気づくものなのではないでしょうか?
根性論や精神論を推すわけではありませんが…
「労を惜しんで結果や名声だけ得ようという人」を「全力で自作品への愛を表現してくれるファン」と同等に扱う気になれる人って、いるのでしょうか?
…これが分からない人は、人間として大切な何かを、既に見失ってしまっているのかも知れませんね。
人間が「人の心」を忘れて「人の労に価値を置かない」「人を大切にしない」社会…
それって、人間が幸せになれる社会なのでしょうか?
最初にこの意見を見かけた時「この違いが分からない人がいるんだ!?」と逆に衝撃を受けたのですが…
この2つの何が違うのか…分かっている方には、あまりにも「当たり前のこと」でしょうから、今さら説明することも憚られるのですが…
それって、ズバリ「情状酌量の余地」ですよね?
そもそも勘違いされている方が多いようですが…
「二次創作」というのは元々「著作権者の温情により見逃されているグレーゾーン」。
べつに「やってもOK!」と許されているホワイトゾーンでも何でもないのです。
古参の二次創作クリエイターさんたちはよく「二次創作者はなるべく日蔭者であれ」「権利者とは距離を取れ(間違っても凸するな)」などと言いますが…
それは「著作権者の堪忍袋の緒を切ってしまうと大変なことになる」と知っているからなのです。
…で、話を戻して生成AI画とファンアートの違いですが…
例えば皆さん「幼稚園児がクレヨンで一生懸命描いたプリキュアの絵」を「版権モノだからダメ!」なんて、冷たいことを言えますか?
…それ、普通に鬼じゃないですか。
ファンアートが黙認されている理由のひとつは「ファンが愛情を持って一生懸命描いてくれたものだから」なのです。
幼稚園児でなく大人だったとしても…
手間と時間をかけて描き上げられたファンアートは、時に作者でさえ敬意を覚えてしまうものなのではないでしょうか?
一方で「こんな絵を描いて」という命令文ひとつで(まぁプロンプトは1文とは限りませんが)ちょろっと出来上がってしまう生成AI画…
著作権者の心証が同じだと思いますか?
現代の一部のネット民は、何かと「感情論を排除」して「合法か違法か」だけで物事を見ようとしますが…
著作権法は「親告罪」――すなわち、著作権者が相手を訴えるか否かが、そもそもの罪の分かれ目なのです。
二次創作やSNSでのちょっとした「お遊び」が許されている背景には「これくらいなら、まぁいいだろう」「話題になって盛り上がってくれる分には有難い」という、著作権者の暗黙の「お目こぼし」があります。
一方で、作品の権利を侵害しかねないものや、作品の品格を落としかねないものは、普通に訴えられるリスク「大」なのです。
生成AI画のマズい所は、版権モノのオリジナル画と「区別がつかないレベル」の画像を生成できてしまうことにあります。
オリジナルそっくりのタッチで「原作にはあり得ないシーン」を描き出すこともできますし…
何も知らない視聴者が見たら「これって公式の画像(動画)?」という誤解もされかねません。
| 動画サイトのコメント欄など見ていると、生成AI動画に気づいていない人って、結構いるんですよ…。 一瞬とは言え、動画生成AIのロゴが出ているにも関わらず(個人的には、見づらい・分かりづらいロゴの出し方をしているAI事業者もだいぶ「思慮が足りない」とは思っていますが…(出すようになっただけ、まだマシではありますが))…。 |
実際「権利者」は生成AIに対してかなりの危機感を抱いていますし、AI事業者を相手どった訴訟も国内外問わず頻発しています。
| 訴訟だけでなく、10月末には日本漫画家協会とアニメ・出版業界団体による「生成AI時代の創作と権利のあり方に関する共同声明」というものも出されています。) |
個人の生成AI利用者で言うと、2025年1月の「エヴァンゲリヲン」の「アスカ」のAI生成(エロ)ポスター販売や、6月のゴジラ海賊版DVD販売(生成AIでモノクロ映画をカラー化したとみられる)など、国内での逮捕者も出始めています。
全ての生成AI利用者がそうだとは思いませんが…
生成AI利用者の中には、明らかに「やって良いことと悪いことの境界線」が見えていない人がいます。
| …と言うより、悪いことと分かった上で「匿名だし、捕まったりしないだろう」と高をくくって「やらかしている」気もしますが(実際に逮捕者は出ているのに…ニュースとか見ないんですかね?)…。 |
自分もX(旧Twitter)上で見かけたことがありますが…
当時放映中のアニメ(お子様も観る全年齢対象)キャラクターの卑猥な生成AI画像を、作品名・キャラ名(さらには生成AI画であること)を堂々と表記してUPしているもの等…
何重もの意味でアウトです(そもそもSNSの誰でも見られる場所に卑猥な画像をUPしているだけで相当なアウト行為…)。
「ファンが作品愛ゆえに描いたもの」なら許してくれる著作権者も「ファンかどうかも分からない人間がインプレッション稼ぎのためにチョロッと生成したもの(しかもエロ)」を許してくれるわけないじゃないですか。
思うに「AI生成画とファンアートの違いが分からない」という意見の中には「生成AIを使って版権モノでボロ稼ぎしたい→そのためには生成AI画を規制したがる風潮が邪魔だ→人の手による二次創作が許されているなら生成AIも許可しろ」という「さもしい本音」があるのではないでしょうか?
…ですが実際には、そうした一部の生成AI利用者の「暴走」が、かえって生成AIの「規制」を招くことになるのではないでしょうか?
| 一部の利用者が生成AIで著作権を侵したり、モラルに反したAI生成を行うたびに、「そういうことをしていない利用者」まで含めた「生成AI全体のイメージ」が暴落します(現代人は「分けて考えることをせず、白・黒で物事を分けたがる」人が多いので)。 なので「真っ当にAI利用をしている人」も、この問題を「他人事扱い」すべきではないのです。 |
そもそも二次創作界隈って元々「稼ごう」「儲けよう」という世界ではないんですよね…。
儲けは「元が取れれば万々歳」くらいな感じで「とにかく、この作品への愛を表現したい」というのが活動の源のはずなのです。
「稼ごう」「儲けよう」が目的になってしまったら、それは「商売」になってしまい「版権モノで許可無くビジネスしている」ことになってしまうのです。
「稼ぐ」「儲ける」が「お金」でなく「インプレッション」や「表示回数」「再生回数」でも同じこと。
(プラットフォームによっては、それで収益が出るものもあるわけですから。)
生成AI画像(動画)に「この作品への愛を自分の手で表現したい」という、一番肝心な「動機」はあるのでしょうか?
作品への愛が分かれば、たとえ絵が拙くとも、褒めてくれる同志はいますし、ファンになってくれる人もいます。
(実際自分も、一次・二次創作物問わず重視するのは、画力よりもネタの面白さです。)
むしろ「拙くても、一生懸命に愛を表現している」ところにアツさを感じて感動するのですが…
「生成AI画とファンアートの違いが分からない」という人は、そういう「人が情熱を傾けることの価値」が分からないのでしょうか?
どうにも昨今、「合理性」「コスパ」ばかりが重視されて「人の心」を見失ってしまっている人が増えていないでしょうか?
…と言うより、どうにも最近「手抜き」や「怠惰」や「雑な仕事」を「合理的」「コスパ」と言い訳している人が多くないですか?
どんなに「現代的な言い訳」で繕おうと、その裏にある「手抜き感」に、人は本能で気づくものなのではないでしょうか?
根性論や精神論を推すわけではありませんが…
「労を惜しんで結果や名声だけ得ようという人」を「全力で自作品への愛を表現してくれるファン」と同等に扱う気になれる人って、いるのでしょうか?
…これが分からない人は、人間として大切な何かを、既に見失ってしまっているのかも知れませんね。
人間が「人の心」を忘れて「人の労に価値を置かない」「人を大切にしない」社会…
それって、人間が幸せになれる社会なのでしょうか?
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- 津籠睦月(つごもりむつき)
- 【職業】
- 社会人(毎日PCを使う仕事。残業も休日出勤も普通にあります。)
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- 小説・HP制作、読書、猫と遊ぶこと。
- 【好きな小説ジャンル】
- ファンタジー、冒険、恋愛、青春、推理、濃い人間ドラマの展開するモノ。
- 【備考】
- 漢検2級(準1以上は未受験)。国語の最高偏差値80(高2時点)。
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このブログは管理人に時間の余裕がある時にちょこっとずつ更新していく予定ですので、更新やチェックの頻度はおそらく数週間に1回~下手をすると1ヶ月以上の間が空いてしまう可能性も…。
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