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日々ふと思うことを徒然なるままに書き綴る個人的エッセイあるいは回想録。
昨今、「ダイバーシティ」だとか「多様性のある働き方」といったことが盛んに言われていますが、そもそもその「多様性」を保つために必要な根本の部分が“まるでできていない”人が多い気がしてなりません。
 
それは、「人間は一人として同じ者はいない、別個の存在だ」という、ある意味“当たり前”な事実を、“本当の意味”で理解できている人が、実は意外と少ないのではないか、ということです。
 
もちろん「うわべ」では皆「そんなこと分かってるよ。同じ人間なんているはずないじゃないか」と言うでしょう。
 
しかし実際には、相手が「自分とは違う他の人間」であるにも関わらず、無意識のうちに「自分の価値観」という物差しで判断し、そこから少しでもズレていると「あいつは駄目なやつだ」「アイツ、おかしいんじゃないのか」などと思ったりする――そんなことが多々あるのではないかと思うのです。
 
たとえば、人間の体力は人それぞれに違っています。
(そもそも体力なんて、その人の体格・年齢・筋肉量・健康状態など、様々な要素によって変わってくるのですから、個人差があるのは当たり前ですし、同じ人間であっても日によって違うものですが。)
 
だから同じ量の仕事量をこなしていたとしても、それにより生じる疲労ダメージは人それぞれです。
 
Aさんが普通にこなしている仕事量だからと言って、同じ部のBさんにもそれができるかと言えば、それは別問題です。
 
精神面においても同じことが言えますが、同じような叱責ハラスメントを受けても、平気で受け流せる性格の人もいれば、気に病んでストレスで体調を崩す人もいます。
 
また、それぞれの抱える「事情」も個々に違っています。
 
親の介護がある、幼い子がいる、通勤時間が異常に長い等々、様々な事情により仕事の時間に融通のきかない(残業や休日出勤ができない、あるいはそもそも一日フルで働けない)人はたくさんいます。
 
(そして“同じよう”な事情を抱えていたとしても、その程度の違いがあったり、複数の事情が絡み合っていたりで、一人として“同じ”事情は無かったりするわけですが…。)
 
なのに何故か現代のこの日本社会(特にブラックな企業の中)では、全ての人間を“同じ”ものとして見ている――どころか、「完璧にタフな体力と精神性を持ち、いつでも仕事の時間に融通のきく人間」を基準、あるいは理想として考えているように見えるのです。
 
そうして、そんな「完璧にタフな体力と精神性を持ち、いつでも仕事の時間に融通のきく人間」でもなければこなせないような無茶な仕事量を課したり、パワハラすれすれの“指導”を行ったり、平気で残業や休日出勤をさせたりして、それに耐えられなければ「ダメな人間」「弱い人間」「使えない人間」というレッテルを貼って見下すという「いや、どういう思考の経路をたどってその結論に至ったんですか?」「そんな、会社にとって異常に都合の良い“超人”が、そこらにホイホイ溢れているとか本気で思ってるんですか?」と逆に訊きたくなるような“不思議な考え”がまかり通っている気がするのですが…。
 
(と言うか、当たり前な話ですが、そんな“超人”はそうそう存在しないので、そんな無茶な働き方を押しつけられれば「働きたくても働けない」人が増えて、「人手不足→1人あたりの労働量が増える→人が辞める」の悪循環に陥っていくのは必然だと思うのですが…。)
 
…まぁ、そもそも、そんな「人それぞれ個人差のある能力や事情を汲んで、それに見合った仕事(業務内容や勤務形態)を割り振り、上手く人材を活用していける」ような技術、あるいは仕組みが、この現代社会でまだあまり“開発”されていない――そもそもその必要性に気づいてもらえてすらいない、ということなのかも知れませんが…。
 
(そもそも、まずその前の段階として、そんな人間ひとりひとりの差異や事情を「見える化」する“何か”でも開発しないと、どれほど優秀な管理職の人でもそれぞれに合った仕事の割り振りができないのでしょうけど…。)
 
あと、そんな風に個人個人の事情に見合った仕事を割り振ったところで、そんな「自分とは違う他人の事情」を「想像でき」て「思いやれる」人間もそう多くはないでしょうから、「あいつの方がラクしててズルい」「俺ばっかり大変な思いをしている」という不公平感が発生して別の問題も起こりそうですが…。
 
そもそも人間って、自分の抱える事情を重く、他人の抱える事情を軽く見がちなところがあるんですよね…。
 
だから、客観的に見れば、実は相手の方が苦労をしていたとしても、パッと見の個人的な印象だけで「自分の方が苦労してて、あいつはラクしてる。ズルい」となりがちなんですよね…。
 
(と言うか、「自分の苦労<相手の苦労」を認めてしまうと「文句が言えなくなる」ので、都合の悪い部分をわざと見ないようにしている、という面もあるかも知れませんし。)
 
さらに言えば、そもそもそういう他人の抱える“事情”に対して無関心で無頓着な人が多い気がします。
 
マザー・テレサさんの言う通り「愛の反対は憎しみではなく無関心」なら、それって人間に対する愛が無いってことになるのですが…。
 
現代人、大丈夫なんでしょうか…?
 
いや、大丈夫じゃないから、今こんなにブラック企業やらパワハラが問題になっているんでしょうけど…。
 
「愛が全てを救う」などと言うと、ひどくチープに聞こえてしまいますが、ひょっとするとそんな風に「人間に対する愛」を持ち、個々の事情に目を向け「思いやる」ということが、諸々の社会問題を解決するカギになってくるのかも知れません。
 
…と言うか、個人的には普通に、愛の無いブラック企業より、愛ある優しいホワイト企業で働いていたいですし。

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津籠睦月(つごもりむつき)
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社会人(毎日PCを使う仕事。残業も休日出勤も普通にあります。)
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【好きな小説ジャンル】
ファンタジー、冒険、恋愛、青春、推理、濃い人間ドラマの展開するモノ。
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漢検2級(準1以上は未受験)。国語の最高偏差値80(高2時点)。
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